高島市の文化 / 食 ・ 祭り ・ 暮らし

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古代より近年まで、鉄道や車による交通網が整備されるまで、琵琶湖の湖上交通は 都と北陸や東北地方、蝦夷地などとを結ぶ重要な位置を占めていました。 これは、高島市の北部や、西部の山々が 1000m未満と低いことから、敦賀や若狭から一旦琵琶湖に入って都に抜けることが物資の輸送の点で非常に有利であったことによります。

このことから、古代においては、大陸との人々の移動とともに、当時の最先端技術や文化が、朝鮮半島や渤海国から日本海、さらに若狭や敦賀を経由し て、現在の高島市や大津市北部を通って都に移動していました。 また、近江の国は、琵琶湖上交通が使えたことから、都で必要とする建築資材(木材など)や薪などの燃料、そして食料の供給地という位置づけもあって、古墳 時代から昭和40年代頃まで大いに栄えました。

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一方、高島市のある琵琶湖北西部は、気候的には 夏は太平洋型で、冬になると日本海型となり、年間を通じて降水量が多いという特徴があります。 そして、冬期、シベリアからの冷たい風が、日本海で湿気を ため込んで流れてくるとき、高島市の西部の山々には、その流れを止めるだけの高さがなく、日本海からの風が高島市へ流れて込んでから多くの雪を降らせま す。 この為、市内には4つのスキー場がありますが、世界的に見ても、北緯35度から36度の低緯度で 1m以上の積雪がある地域は珍しく、本格的なスキーやスノーボードなどのウインタースポーツが楽しめる南限とされています。

この様に年間を通じて降水量が多いと言うことは、年間を通して多湿であることを意味し、適度な湿気を必要とする繊維産業や発酵食品文化が花開きました。

先ず、繊維産業では、高島市の中央部にある新旭町を中心として多くの工場が造られ、現在も「高島ちぢみ」の様な主に肌着に使われる薄物から、「高島帆布」といった厚物が、同じ地域で生産されています。

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また、市の西部に広がる広大な山林に降った雨や雪が、里に清らかな湧き水となって湧き出してくることと、多湿であることから、発酵食品の文化が 生まれました。 これは、食品を発酵させることによって長期間保存を可能にし、雪深い高島の地で冬場の貴重なタンパク源を確保するという目的もあったのかも知れません。 今でも、市内には5軒の造り酒屋があり、醤油醸造業者や醸造酢製造事業者の他に、川魚や鯖を使った「なれ鮨」を製造している事業者があります。

鯖や鰊(にしん)の様な食材が高島の食卓に上ったのは、こうした海産物が敦賀や若狭から都に輸送されるルートに 高島があったことが理由で、ハレの日や冬場に用いられてきました。

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一方、食文化を考えるとき、京都との繋がりもあるのではないかと考えられます。 昭和20年代頃まで、高島の人達は、学校を卒業すると同時に京都に奉公に出るのが普通でした。 商家や家庭に入って仕事や家事手伝いなどをする中で身につけた知識や職を持ち帰り、高島で所帯を持つケースが多かったことから、当然 京都の食文化も高島に持ち込まれていました。 最近は生活の近代化という側面があって あまり見られなくなりましたが、法事などでは「鉢物料理」といって大きな鉢に盛りつけられた料理が何種類も振る舞われましたが、こうした郷土料理は、現在 京都の小料理屋で出される「おばんざい」に通じるものがあります。

この様に、大陸や北陸、京都といった他地域との行き来が盛んであったものの、低山とは言え北・西・南に山があり、東には琵琶湖があったことから、 陸上輸送がメインになった昭和の中頃からは、高島に大きな資本が入ってくることは少なくなりました。 この結果、昭和40年代から始まった高度成長期においても、大規模開発が行われることなく、多様な生物が生き残る豊かな自然が残り、また歴史や文化資産も 大きく破壊されることもなく、静かに眠っています。

こうしたことから、高島市は、都会では失われた何かが残っている、そんな “まち” と言えます。


発酵するまち、高島。

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